それを止める権利は私にはないし、木梨の幸せを願っているからなんとも言えない。



だけど、願ってもいいのなら。



木梨と、付き合いたかったな。 ……なんて。



勝手に、木梨に彼女ができる想像をして傷ついた。 バカみたい。



「碧海(アオミ)」



びく、と、心臓が大袈裟にリアクションをする。



「芹中碧海、って、全部水が関わってるよね。 自然な感じ」



ニコニコとこっちをみるから、付き合いたいなんて妄想をした自分が恥ずかしくなる。



「そっちこそ……木梨光介……木と梨を光でたすけるとか、自然な感じ」



介には、たすけるという意味がある。



この前読んだ小説に、書かれてあった。