余計に、まわりのひとからの視線がグサグサ。
「だっ、大丈夫! 大丈夫ですから!」
敬語になってしまった私に、「なんで敬語~?」とにこやかに聞いてくるから、『木梨のせいだよ!』と叫びそうになった。
「芹中は、何色の金平糖が好き?」
「……オレンジ、かな」
べつに何色でもいいんだけど、弟に食べられて悔しい過去があったから食べたいっていうのと。
……木梨のイメージが、明るいオレンジだからっていうのと。
わけのわからない理由が、頭のなかをぐるぐると。
「俺は、水色かな」
……なんて、色の好みを話して。
どういうこと? 木梨が私の好みの金平糖の色を聞いて、なにになるの。
話せたことで、鼓動がはやまって。
テンパって、もう、ダメだ。