「やっほー、木梨」
……なーんて、なんでもないふうに返してみたけど。
クラスの女子が抱く、木梨のイメージを語ってみたけど。
……私の、木梨への想いだって、クラスの女子と同じだと思う。
「あ、金平糖だ」
私の買い物かごのなかを覗いて、木梨はにこりと笑った。
目が細められて、目尻に少しシワがよって。
こんなに可愛くて、こんなに笑顔が似合うひと、木梨以外にはいないんじゃないだろうか。
「俺、金平糖好きなんだよね」
……そうやって、当たり前のように話しかけてくるから。
ムカつく。 ありえないくらい、虜になってる。 ありえないくらい、ドキドキしてる。