「あの漣瀬君が…？」

「そうなの！最初は中国語出来ない人に教えてくれる良い人なのかなーって思ったんだけど…おかげで私すっごく恥ずかしかったんだから…」

私は思い出してまた恥ずかしくなった。

「まじか…でも意外だなぁ…漣瀬君って無口な一匹狼って感じで大人っぽい人だと思ってたけど…人は見かけによらないのね…」

カフェオレを飲みながら、黑之瀬さんが言った。

「でもさあ…あの無口な漣瀬君がそんなイタズラするって…
もしかして漣瀬君、待田さんに一目惚れしたんじゃない？」

如月さんのその言葉に一瞬固まった私は、すぐに否定した。

「わ、私なんか一目惚れされるようなタイプじゃないよっ…根暗だしブスだし…」

えー可愛いと思うけど、と2人ともフォローしてくれる。

昼ごはんを食べ終わった後、私はなんとなく屋上に向かった。