…え…な、何言ってんのこの人…

私の顔をじっと見る漣瀬君。
茶色い瞳がイタズラそうに笑っている。
私を掴む彼の手を振りほどこうとしてもうまくいかない。

「あ、あの…手離して…」

「嫌。」

「なんで…?」

掴まれた手をぶんぶんと動かす私を見て漣瀬君はまた笑った。

「屋上は俺の陣地だから。不法侵入した罰だよ。ほら、あっちで遊ぼうぜ。」

私の腕をぐいっと強引に引っ張る漣瀬君。
私は屋上のフェンスのところまで連れていかれた。