バイトが終わり家に帰ってからスマホを見てみると何件かメッセージが来ていたので、何気なく開くとそこに表示された名前にドキッとした。

秋村君からだ……。

胸の高鳴りを抑えつつ文字を追うと、そこにはとりとめのない内容ばかりが書かれていた。

“カレーパンどうだった?
美味かったでしょ?”

“この前買ったCDに入ってた曲、今までとアレンジが変わっててめちゃくちゃ格好よかった!
早く聞いてみてほしいんだけど、明日大学来る?”

“岩沢さんって甘いのとビターどっちが好み?
カフェオレいっぱい貰って困ってるんだけど、貰ってくれたら助かる!”

脈絡はないが質問ばかりの内容に真未はとりあえず返事を返そうと指を滑らせた。

“カレーパン、美味しかった。
明日は大学に行かない。
甘いのは苦手だからビターが好み”

簡潔にそれだけ打って送ると一時経ってスマホが鳴り出した。
返事のメッセージかと思ったら電話がかかっていて、もちろん相手は朝陽だったので内心慌てながら平静を装い電話に出てみると、朝陽は声を震わせていた。

これは、笑ってる……?

「秋村君?何笑ってるの?」

首を傾げて聞いてみると朝陽は、いや、だって……。と笑いを堪えているようだった。