「でもさ、新しい出会いのチャンスだよ」


佐恵子が、今度はあたしの手を握りしめてそう言って来た。


「新しい出会い……?」


相変わらずの鼻声でそう聞き返す。


「そうだよ! カオル君は運命の相手じゃなかっただけで、絶対にどこかにいるんだから!」


「運命の人が?」


「そうだよ!」


佐恵子はそう言いながら目を輝かせる。