今日のあたしはマスカラ3度塗りだ。


おかげで目元はお人形のようにパッチリとしている。


輝明が相手なんだから、これくらいの努力は当然だった。


2人で話をしながら待っていると、約束の5分前に2人が到着した。


輝明の私服姿はTシャツに黒のジーンズとシンプルなものだったけれど、首元にかけられたネックレスがブランドもので、シンプルでオシャレだった。


寺島の方は白いTシャツに灰色のパーカーと言った、ごく普通の服装だ。


「この4人で遊ぶことがあるなんて、なんか夢みたいだな」


歩きながら寺島がそう言った。


そう言われたらそうかもしれない。


あたしも、休日に寺島と会うことがあるなんて思っていなかった。


「本当にそうだよね。でも楽しい」


佐恵子は寺島が横を歩いているだけで、ずっと笑顔だ。


「今日はカラオケにでも行こうと思うんだけど、いい?」


あたしの横を歩く輝明がそう言った。