正直、寺島レベルの男が相手ならズボンで行っても問題ないと思う。


けれど、あたしの相手は輝明なのだ。


下手な格好で会うわけにはいかない。


メークだって、明日は倍の時間をかけて丁寧にしていく予定だった。


輝明の横にいて釣り合わないと思われてはならないのだから。


「佐恵子の相談に乗ってる暇なんてなかった」


あたしはそう呟き、慌ててクローゼットを開いたのだった。