顔を上げて“おねえちゃん”をみる

年は俺とあんまり変わんないくらいの女の子

白くて細い腕には点滴が刺してあって痛々しい

けど、大きな目に長い睫毛、長い髪

きれいな子だ

一瞬、息を飲んだ

「こんにちは、はじめまして」

“おねえちゃん”は話しかけてくる

「はじめ...まして。翔太がいつも、お世話になってます…」

「そんな。翔太くんといるのは楽しいから。お兄ちゃん、お名前は?」

「翼」

「翼くんね。わたしは陽菜っていうの。呼びすてでかまわないよ」

「わかった。陽菜は何年生?」

「何年生か? わたし、学校行ってないからな...16歳よ。3月生まれなの、今年17になる。翼くんは?」

「え...あっ、ごめん...。俺は17。陽菜とは同い年だね。」

「気にしないで。そっか、同い年か。仲良くしてね、翼くん」

「うん、こっちこそ」

「にいちゃん!おねえちゃん!!2人でお話しないで!!」

「「ごめん、ごめん(ごめんね)」」

翔太へかけた声が陽菜とかぶった

思わず顔を見合わせて笑った

笑った陽菜の顔は、ちょっと幼く見えた

あのときから俺は.....だったのかもね