…。

何か、すごいものに選ばれてしまった気がする。

これは責任重大かなぁ…。

ふっと顔を上げると、戸惑ったような顔の夏空くんと目が合った。

「大丈夫?さっきから、思い詰めたみたいな顔してる。」

「っ!?大丈夫だよ。ただ、何かすごい責任重大な気がしちゃって…」

えへへ、と笑ってみせると、夏空くんも少し表情を緩めた。

「ドレスとかは、学校で貸出があるから、杜若さんとかと一緒に行ってみるといいよ。仲いいよね?」

「うん!ありがとう!」

私がにこっと笑ってお礼を言うと、夏空くんは少し目を瞬いてから、少し口角をあげた。

「どういたしまして。でも、大したことしてないよ。」

ちょっと恥ずかしそうな夏空くん。

普段はクールキャラだし、いつもより私を気遣ってくれたのかもしれない。

「でも、嬉しかったから。後で理乃と行ってみるね。」

「うん。」

夏空くんはふっと前を向いた。

夏空くんも同じ招待状を受け取っていたということは、私と同じレネットコンテストの参加者なんだろう。

「お互い、頑張ろうね、夏空くん。」

「…うん、頑張ろう。」

肩越しに振り返った夏空くんは、そう言って微笑んだ。