「ずっとこうしたかった。夕映は俺だけのものにしたかったんだ。このベットで、キスして裸にして、そして抱き合って……。だから、おまえを感じさせてくれ。」
そう言うと、斎はネクタイを片手で外しながら夕映にキスをした。
先ほどの触れるだけのものではない、深くて濃厚な溺れるようなキスだ。静かな部屋に2人の息づかいと水音が響く。
彼に服を脱がされ、沢山の場所に触れられ、そして、唇や舌先で快感を与えられる。
夕映の体はすぐに熱を帯びて、彼の動きに翻弄されるしかなかった。
けれど、それが嬉しくて彼の指や肌を直接感じられるのが幸せで、いつしか、夕映自ら斎に抱きついていた。斎の熱い熱と香水の香り、そして早い鼓動。汗ばんでいる鍛えられた体。全てが夕映をドキドキさせた。
「夕映?……どうした?体、辛いか?」
「ううん………もっとくっついて斎を感じたくなったの。」
「………はぁー。この状況でそれを言うってことは、俺に何されてもいいって事になるぞ。」
「うん。……そうだよ。」
「……その言葉、忘れるなよ。」
ため息と共に出た少し乱暴な言葉と共に、斎は強く夕映を求めた。
与えられる気持ちよさに、甘い喘ぎ声と、斎の名前しか口から出てこなかった。
数年間感じられなかった分を、今、斎を感じさせて欲しい。
そんな思いを胸に、彼を見つめながら夕映は彼に溺れ続けた。