「あ、あのね。南ちゃん、パーティーに行ってみたいって行ってたでしょ?だから、一緒にいかない?斎が来てくれないかって。」
 「え……斎くんのパーティー?私が………。」
 「うん。今週末で急なんだけど。私も行くから一緒に行かない?」
 「……でも、私、ドレスとか持ってない。」
 「それなんだけど……これ、使ってくれないかな?」

 そう言って夕映は持っていた袋を南へと差し出した。そこには、少し前に着ていたドレスが入っているのだ。
 南はそれを受け取り、中身を見つめていた。
 その瞳はキラキラと期待に満ちているものに夕映は見えた。


 「これ………。」
 「これを着て一緒にパーティーに参加してほしいなーって。」
 「で、でも、夕映ちゃんのドレスは?」


 少しずつ瞳がいつもの南に戻ってきている。きっと嬉しいのだ。そう感じられて夕映はホッとした。
 

 「私は別のがあるから。昨日………斎が選んでくれたのがあるの。そのドレスは、私が高校の時に着たものなんだけど南ちゃんは可愛いから似合うかなって………。」


 そう言った瞬間。
 南の雰囲気が一転した。


 「………子どもだってこと?」
 「え……………。」


 「斎くんが選んでくれたドレスがあるから、自分には似合わなくなった子どもっぽい可愛いドレスは、子ども見たいな私にピッタリだってこと?」
 「南ちゃん?………私、そんな事…………。」


 急に態度が変わってしまった南に、夕映は驚き動揺した。
 彼女が俯いているからどんな表情をしているのかはわからない。けれど、声はどんどん低くなっている。