「あ、来週の食事会の予定は大丈夫?」
「うん。ちゃんと空けてるよー。大学の集まりだよね。みんなと会えるの楽しみだなぁー!」
「……そうだね!」
来週の週末、南に誘われて大学の頃の友達と会うことになっていた。
久しぶりに会う友達も多そうなので、夕映は今から楽しみにしていた。
けれど、その期待はすぐに驚愕へと変わった。
その日、貸しきりにした小さなレストランに集まっていたのは大学の頃の友人ではあった。
けれど、学部の友達ではなかったのだ。
男性率が高く、女性はほとんどいない。
大学のテニス部の集まりだったのだ。
そして、その店に入った瞬間に、夕映の目に入ったのは、友達と話をする彼の姿だった。
今でも思い出し、そしてテニスのレッスンでは目で追ってしまう、彼。
九条斎が、そこにいた。