匠くん、可愛いな……。


まるで恋する乙女みたい。


匠くんは男の子だけど。


「じ、じゃあ、捨ててくるから。


愛海はゆっくり部屋で休んでろ」


「うん、ありがとう」


バタン。


匠くんが、私から受け取った大量の手紙を持ったあと、部屋を出ていった。


部屋を出るときの匠くん、顔が赤かったような気がするけど……気のせいだよね。


心の中のもうひとりの自分にそう言い聞かせる。


さて、じゃあなにをしようかな。


悟さんに『俺たちで自分のことをやるから、愛海ちゃんは部屋でゆっくり休んでなよ』と言われたから、部屋でゆっくり休もうかな。


ごろんと、ベッドに寝転がる。


だが、その直後。


コンコン。