やばい、顔が熱くなってきた……。


風邪ひいてるときに、匠くんがドキドキさせるようなこと言うから……。


匠くんのつぶやきに気づかないフリをして、大量の手紙を、匠くんに渡す。


「あっ、匠くん。


これ、今日届いた、私あての手紙ね。


どこか、バレないようなところに捨ててくれない?」


「……わかった」


よかった。


匠くんが優しい心の持ち主で。


やっぱり我妻家の御曹司5人をここから追いださなくてよかったと、心の底からそう思う。


「ありがとう。


匠くん、優しいね」


私がニコッと微笑みながらそう言うと、匠くんが顔を赤くした。


『ありがとう』と言われて、照れてるのかな。