私が抱いている気持ちを表情で読み取ったのか、顔をしかめていた匠くんが口を開けた。


「……愛海、もしかして、ストーカーからの手紙全部、捨てられないの?」


「へ……?」


「だったら、俺が代わりに捨ててやろうか?」


えっ……。


や、優しい、匠くん……!


やばい、涙が出そう。


匠くんが私の気持ちを読み取って、気を遣ってくれるなんて……!


「い、いいの……?」


「あぁ、いいよ。


俺、前に言っただろ。


愛海が苦しんでるところは見たくないって」


匠くん……。


あなたは神様ですか……!


「匠くん……ありがとう……」


「お礼なんて言うなよな。


俺は、好きな女を守るためには当然のことをしただけだし」