「キャーッ、あそこにいるふたり、めっちゃお似合いなんだけど!」


「まさに美男美女のカップルじゃん!」


「男の子のほうは背が高くてカッコいいし、女の子のほうはすごく可愛いよね!」


そ、そんなことはないでしょ。


私が可愛いなんて……そんなまさか。


美女じゃないよ、私は。


全然美人じゃないし、可愛くもないし。


ていうか、また『お似合い』って言われた。


無意識に顔が熱くなる。


いっぽうの薫くんは、まだ機嫌が悪そう。


いったい、なにに対して怒ってるんだろう。


首をかしげたそのとき、薫くんの足がピタッと止まった。


「……あそこに乗るぞ」


あそこ?


あそこって、どこ?


顔をあげて、薫くんが指をさしている方向を見てみる。