☆☆☆
「ねぇねぇ、あそこにいる男の子、すごくカッコよくない?」
「カッコいいね〜。
隣を歩いてる女の子、羨ましいな〜」
遊園地内にて。
薫くんとふたりで園内を歩きまわっていると、数十メートル先にいる女の子ふたりが、私たちを指さしながら会話しているのが見えた。
たしかに、薫くん、カッコいいよね。
無愛想でゲームのことばかり考えているところを除けば、確実に女の子にモテる。
薫くんは、モテたいという意識がないのかな。
……あんまり、モテるという単語には興味がないのかも。
チラッと、薫くんの横顔を見てみる。
陶器のような透き通った肌が視界に入り、羨ましいと思ってしまう。
薫くんの肌、すべすべだなぁ……。