動揺を隠せない、誠さんの声色。


どうやら、私が、翔さんのことが気になっていたことに対して、少しびっくりしているようだ。


頬に帯びる熱の温度がぐんぐん上がっていくのを感じながら、こくんとうなずく。


その直後、頭の中で映像が流れた。


翔さんに、ファーストキスを奪われたとき。


翔さんの大学の文化祭に連れられたとき。


翔さんに、二度目のキスをされたとき。


それらを思い出すと、胸のドキドキが止まらなくなる。


とくに、二度目のキスのときは。


ストーカーを追い払うために翔さんとキスしたのに、翔さんのキスをすんなり受け入れたんだ。


どうして、翔さんのキスを受け入れたのか。


それは、翔さんのことが気になっているから。


気になって、仕方がないんだ。


受け入れた理由が、今ようやくわかった。