「おい、何やってんだよ」
あいつが他の奴と距離が近いと
妙にイライラする
柄にもなく嫉妬する自分に腹が立つ
でも俺と同じであいつもよく妬く
それだけ愛されてんだな〜俺、なんて
浮かれてる自分がすげー気持ち悪い
「……嘘だろ?」
あいつの手が透けているのを見た時
夏が消えてしまう
何としてでも掴んでおかねーと、って
思って掴んでみたけれど
その時は全然掴むことができなくて
次第に焦って必死になる俺をよそに
あいつは平気でいびきかきながら爆睡してやんの
お前どういう状況かわかってんのか?
と言いたいところだが
不安になったら困るから平然を取り繕った
「お前、寝坊なんてめずらしいな」
俺、ちゃんと動揺隠せてただろうか