あれから半年、私は毎日尊人様に仕えさせてもらっています。
ですが何か不備があったのでしょうか?
今尊人様のお部屋に呼ばれ向かいに尊人様が座っておられます。
お食事が合わなかったのでしょうか。
掃除の音がうるさかったでしょうか。
あぁ、私はまだまだです。
尊人様にお仕えしているのに意志を汲み取る事が出来ない…
私が自責の念に囚われていると尊人様が話し始めました。
尊人「今までの仕えは、誰も外まで掃除をしなかった。
それに中の掃除も適当にやっていた。
1ヶ月ほど頑張る者もいたがそれ以降は怠ける者が多かった。
私はその事を知っていたが、
人と関わるのが嫌でクビを宣言するだけだった。
でもお前は毎日やる事をちゃんとしているのに、
まだ何か出来ないかと試行錯誤しながら仕事をしてくれる。
遅くなったが礼を言う。
ありがとう。
そして、これからもよろしく願いたい。」
私は思っていないことを言って貰えてポカンとしてしまいました。
尊人「敬?」
敬「あ、その申し訳ありません。
お礼を言ってくださるとは思わなくて…
それに私は尊人様に仕えたいと思ってしている事なので、
お礼は不要ですよ。
私は尊人様に仕えさせて貰うだけで幸せですし、
これからもお願いしたいのはこちらもです。
改めてよろしくお願い致します。」
尊人様「…あははは。
君はおかしな奴だな。
…これからも頼むな、敬。」
敬「はい…!」