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「いただきまーす。」

「………」


「お~い、サーコ。起きてます?」


「へっ!?あ、うん、なに、あ、ゴハン。いただきます……」


龍仁の手のひらがあたしの前でヒラヒラと泳ぐ。慌ててみそ汁をすする。


「あちっ!」

「あーあー…なにやってんの。」



動揺するあたしを冷めた眼差しで見ながらゴハンを食べる龍仁。


「なんかさっきから様子おかしいケド、どうした?」

「べ…別に…」



お前のせいじゃ!

コイツ本当に覚えてないのかな…



「そういえば、マラソン大会の商品ってなんなんだろうね。」


ソワソワするあたしをよそに龍仁は肉じゃがのジャガに箸を伸ばし、思い出したように言った。


「え、あぁ……ね。豪華商品ってつくくらいだし、テーマパークチケットとか!?」


「でも1クラス約30人だよ?30人分もあげたら学校も赤字でしょ。」


「まぁねー…でも改築するお金があるんだからそんくらいはポーンって出してくれるかもよ?」


「甘いね。改築してお金なくなったってゆうパターンかもしれないじゃん。」


「あーそっちね!ありえるかも!」


「まぁ…あんまり期待しすぎないほうがいいと思うけど。てか、肉じゃが食べないの?最後のお肉もーらい。」


「へっ!?あっ!おい!」


気付くと肉じゃがの皿から肉が消えていた。