その中に入り。


一階の奥にある畳の部屋。



「ここ」


部屋は何もなく、置いてあるのはお兄ちゃんの仏壇。




「今日はここで勘弁しろ。明日にでも墓場に連れてってやる」



「うん、ありがとう………」


仏壇の前に座り、お線香を灯し手を合わせる。



お兄ちゃん、私のこと覚えてますか?



ずっと会いに行けなくてゴメンなさい。



私、ずっとお兄ちゃんに言いたかったことがあったの。



お兄ちゃん、私の心の支えになってくれてありがとう。



こうして生きてるのはお兄ちゃんのおかげだよ。



リュウトや仲間に出会ってまた、私は救われてもう一人じゃないよ。



だから、安心して。



笑ってね。