「別に礼なんかいらないよ?千夏ちゃん」
孝介がリュウトの隙間から顔を出して言う。
「俺らは好きでしただけだから!」
「…………うん」
これが仲間って言うやつ何だろうなぁ。
リュウトはお母さんに電話しに外へ、晴香は私が着る服を家から取りに、孝介は晴香の付き添いに行ってしまった。
なので、カウンター席には私一人取り残された。
「でも、本当良かったよ」
「え?」
洗った食器を拭いてポツリと言う優作さんと目が合う。
「やっぱり覚えてないか!あの時、俺はまだ中学生だったからな」
あの時………いたの?優作さんが。
「あの頃からチーちゃんの事情知ってたのに助けてあげれなくてゴメンね?」