笑顔でクシャクシャと私の頭を撫でてくれて。
いつぶりだろう………。
頭撫でてくれたの………。
何だか懐かしくなって思わず泣いてしまい、慌ててしまう男の人。
困らせたい訳じゃないのに………。
「えーっと、君、名前は?」
「……っ、ち、千夏………」
「千夏ちゃんか!じゃあ、チーちゃんだね!」
チーちゃん?
「チーちゃん、ちょっと場所移動しようか?」
ここじゃひと目につくのは私にだって分かってるから、頷いて彼に着いて行くというか。
彼が私の手をぎゅっと握って引っ張って行く。
本来なら、知らない人には着いていちゃっダメなのに。
どうしてか、直感でこの人は危なくない人だと思った。