「………何度も呼んだ。でも、助けてなんかくれなかった」
そんな気持ち、あんたに分かる?
必死になって伸ばした手を踏み潰して、ほっとかれる。
こんな気持ち、分かる?
「助けてくれるまで声かれても叫び続けたらいいだろ。諦めたら終わりだぞ」
「………今更、助けてくれてももう遅いよ」
パタン。
今更………遅いよ。
リュウトSide
俺には兄貴がいた。
すげぇ強くて優しい兄貴に憧れてた。
そんな兄貴がまだ俺が小学生の頃、よく話しに出てた女がいて名前は「チーちゃん」。
「可愛くていい子なんだよ!」って自慢気に話してたから嫌でも覚えてる。