何?


椅子が……原形が変わって転がってきた。



「さっきからギャーギャーうるせぇんだよ」



誰?


奥から頭をかきながらやってきたのは、高身長で茶髪で鋭い目つきをした男子。



「ご、ゴメン!リュウト!てか、来てたんだ!」



「あぁ。」


あ………。



「もう!また、こーちゃんに怒られるよ?」



「ほっとけ」



どこか、お兄ちゃんに似てる………。



やだ、この人と関わりたくない。



「帰る」



「あ!千夏ちゃん!」



振り返って、今度こそお店から出ようとすれば。



「本当に助けてほしかったら心の底から大声出して言えや。そうじゃなきゃ誰も助けに来ねぇぞ」