教室に戻ってすぐ自己紹介が行われた。
皆、趣味とか特技とか言ってるけど私は。
「窪塚千夏です」
それだけ言って席に座り直す。
「え〜じゃあ、次の人!」
名前しか言ってないから、先生だって戸惑うし周りの人だって。
「何あれ」
「絶対、友達になりたくない」
うん。大丈夫。
いらないから。
だって、私がイジメられててもどうせ助けてくれないんでしょ?
どうせ、一緒になってイジメるんでしょ?
もう分かってる。
分かってるからこそ、いらない。
案の定、入学してから一週間経つけど友達は0。
「ねぇ、知ってる?あの子ってあの希美ちゃんのお姉ちゃんらしいよ」