「知りたかったの。千夏が小さい頃、お母さんにどんなふうに育てられたのか」
だから、ここに来たの?
だから、お母さんに会いに来たの?
「千夏」
「ん?」
希美ちゃんは私の前で頭を下げる。
「ゴメンなさい」
希美ちゃん…………。
「本当にゴメンなさい…………」
深々と頭を下げながら謝る。
「謝っても許さない」
「うん」
「私がどれだけ傷ついたと思ってるの」
「ゴメンなさい」
希美ちゃんは頭を上げることなく聞いては答える。
「でも、私が傷ついたぶん、希美ちゃんだって傷ついてたんでしょ?」
本当はしたくてしてたわけじゃない。