「希美ちゃん……」
どうしても、希美ちゃんがここに?
今までどこに行ってたの?
いっぱい、いっぱい聞きたいことある中。
「二人で話がしたいの」
希美ちゃんから先に声を出してきた。
思わず、リュウトの顔を見合わせる。
「大丈夫。誰もいないから」
誰も。ということは黒蝶もいないってこと。
「リュウト。ゴメン………。希美ちゃんと話がしたい。今、話さないと手遅れになるかも」
「分かった。先に戻ってる。何かあったら連絡しろ」
「ありがとう」
リュウトは一人先にその場から離れ二人きりになる。
希美ちゃんと二人きりになるのはいつぶりだろう。