私はリュウトに手を引かれ、毎年花を添える場所の前に座る。



「兄貴。来たぞ」



そういうリュウトと一緒に花を添え、手を合わせる。



お兄ちゃん。



今年は………ううん。



今年こそ、会いにこれたよ。



皆で。



「行くぞ」



「うん」



また乗り物に乗りお兄ちゃんが好きだったいつものコースを走る。



「ねぇ、リュウト」



「あ?」



「ずっとさ、聞きたくても聞けなかったことがある」



「何だよ」



窓の外を見てた目をリュウトに向ける。



「私のこと恨んでる?」



バイクの走る音でうるさいはずなのに、何故かこの一瞬だけ静かになったような気がする。