「チー………ちゃん?」
名前を呼ばれて下を向いてた顔を上げる。
あ…………。
優作さんのことは覚えていなかった。
でも、目の前に立ってるこの人のことは覚えてる。
例え、年を取ってあの頃よりも外見が少し変わったとしても。
「ハルキさん………」
あの頃、お兄ちゃんの側にずっといた人だから覚えてる。
ぎゅっ。
私が名前を呼ぶとぎゅっと抱きしめられた。
「会いたかった」
その声は優しく今にも泣きそうで。
私まで泣きそうになるじゃんか。
「あれからずっと心配しててさ。急に顔出さなくなったから」
体を離して話す。