何でリュウトは、こう私の心を救おうとするの。



「それに今、お前あの女のこと考えてんだろ」



「そ、そんなこと!」



「もう隠さなくてもいいじゃねぇの?」



目だけ私に向けて言ってくる。



「……………リュウトの言う通りだよ」



希美ちゃんに色んなことされておきながらも心配だった。



お母さんに暴力振るわれてること警察にだって言ったて良かった。



お兄ちゃんに出会った時にだって。



言う機会はいつでもあったはずのに、でも言えなかった。



ううん。言わなかったの。



だって、言えば希美ちゃんの居場所まで奪うことになっちゃうから。