「来ないでっ!!!」



私の叫び声にその場の全員が硬直した。



「…お、落ち着いて、ゆっくり呼吸しましょう?」



興奮で過呼吸気味の私に、採血をしようとした男性が恐る恐る声をかける。



しかし、私の耳には全く届かない。



「…腕のチューブだけでも、外しましょうか?」



それをヒヤヒヤと見守っていたもうひとりがそっと近づこうとするが、私が来るなと叫ぶのでやはり足が止まってしまった。



お互い一定の距離を保ったまま膠着状態である。



そうこうしているうちに別の看護師が呼びつけたであろう人物が足早に部屋へと到着した。