なんとか崩れずに堪え、首から聴診器を外す。



「ちょっと診察させてね。ごめんね。」



手のひらで温めた聴診器をそっと彼女の胸に当てる。



しっかりと生きている音が耳に届いてくる。



本当に、よかった…



「呼吸器の先生に連絡してください。それと検査の準備、お願いします。」



私の指示を聞いて周りは一斉にそれぞれのやるべきことを開始する。



私はというと、ベッドサイドで恵那ちゃんの手をとり、そっと声をかけた。



「目を覚ましてくれて、ありがとう。」