体調が悪いにしては少し声が大きかったかもしれない。



真ちゃんが驚いた顔をしている。



必死の思いが声に上乗せされてしまい、顔がカーッと赤くなったが、真ちゃんから目を逸らすことはしなかった。



「…僕が使ってるいつもの診察室まで歩ける?すぐ行くからそこで待ってて?」



「…わかった。」



さ、行こうと研修医に声をかけ、私から離れていく彼の背中を黙って見送る。



取り残されるのは私なのか…



その事実に悲しくなる心を無視することはできなかった。