気付くと、恵那ちゃんがいるICUで泣いている自分がいた。



ハッと我に返り、涙を拭う。



本当にバカだ、私は。



こんなところで泣いている医者なんてありえない。



誰にも見られないよう足早にICUを後にし、人気のないところへ向かう。



すでに気力も体力も限界に近い私は、薄暗い廊下で見つけた長椅子に力なくへなへなと座り込んだ。