恵那ちゃんのご両親への説明は重苦しいものだった。



“やれることはやった、あとは恵那ちゃんが回復するのを見守るしかない”



これ以上の希望的観測を述べることは医者として出来ないのだ。



狼狽した恵那ちゃんのご両親を見送った後、耐えきれなくなって上級医に自分の中の不安をもらす。



「退院許可を出すのが、早かったのでしょうか…?」

 

どうしてこんなに急激に悪化したのか…



考えてもわからなかった。



首を横に振りながら上級医が質問に答えてくれる。