処置室に入ると、すでに上級医がひとり、恵那ちゃんの処置に当たっていた。



「酸素始めて!」



「誰かAラインとって!」



「検査室に至急連絡を!」



飛び交う指示の元、余計な考えは頭から追い出し、今やるべき事だけに集中する。



そんなかっこよく出来ればよかったが、内心はものすごく動揺していた。



どうして、どうして、どうして…

 

手はかろうじて動かしてはいたものの、頭の中はそんな考えでいっぱいだった。