「どうぞ、何でも聞いてください」
 覚悟を決めたかのような顔つきで、浩太郎は目を合わせた。
「浩太郎は、酔っていないときは一切道川さんをたぶらかしたりしていないんだよね?」
「当然です!」
「道川さんとは、本当に何もなかったのね?」
「はい、それきりです!」
 勢いよく答えた後に、ちょっと浩太郎は首を傾げた。
「……って、もしかして――違ったら申し訳ないんですが――やきもちやいているんです、か……?」

 お、浩太郎でもそれくらいのことわかるんだ。

「その通りだよっ」

 平然と事実を認めると|(こういうところで意地は張らないと決めているのだ)、むしろ浩太郎の方がちょっと頬を赤らめてうっすらと笑みを浮かべていた。

「な……なんだか、照れくさいですね……」
「そこ、照れなくていいからっ!」

 つくづく、酔っているときの自分を、どこに置いてきたんだこの彼氏は!?