その後、居づらくなった研究室でも研究に集中し続け、博士号まで見事に取得|(それもストレートで)したのち、研究者としての将来を見込まれ、アドバンテージ製薬に就職――。

***

 だんだんと正座している足がしびれてきたので、足を崩した。
 相変わらず浩太郎は涼しい顔して正座を貫いている。決して胡坐をかかない。忍耐強い性格なのだな、と今のエピソード以上に、直感的に思わせる姿勢だ。

「こんな話、するべきではなかったかもしれないね。ひばりちゃん、引いたでしょ?」

 なんだか明るい真昼間から暗いトーンだぞ。

「むしろ、正直に話してくれてよかったけど?」
「そう?」

 懐疑的なまなざしの浩太郎。よほど恥ずかしいのだろう。いつにもまして、目を合わせようとしない。

「それで、そのあと道川佐央里さんとは?」