「ひばりちゃん、ほんっっっとうに、申し訳ありませんでしたっ!」

 次の日曜。今度はお昼間に出会った私たち。

 浩太郎の職場の次の駅付近にある、和風カフェで私たちは会っていた。
 畳敷きでゆっくりくつろげるこのカフェは、外国人客にも人気だ。

 不正を週刊誌に暴かれた企業の記者会見かのように、深々と頭を下げる浩太郎の姿。
 畳の座敷だから、ほとんど土下座じゃないの。

 本当に記者会見並みに綺麗なお辞儀……っていやいや、そこじゃない。

「そこまで真剣に謝らなくていいってば」

 和ませようと笑ってみたものの、結構深く反省している様子。

 眉尻を下げ、しきりに汗を拭いている。

「僕ときたら、ひばりちゃんに迷惑をかけっぱなしで……情けないよ」

「迷惑だとは思ってないけど……まあ確かに、お店で寝ちゃった浩太郎をどうしようかとは悩んだけれどね」

「本当にごめんなさい……」

 冗談のつもりだったが、またしてもしゅんと落ち込む。