「ねえ、ひばり」
 浩太郎の声は、間違いなく色気に満ちあふれていた。こんな浩太郎、今まで見たことがないのは、言うまでもない。
 めっちゃ上がってるよ、私の心拍数……!
「このチョコレートが、こんなに運命的な味がするのは、きっと君がそばにいるからだよ」
「ど、どういう、」
「甘くてほろ苦い。君の側にいると、いつもそんな気持ちになるからさ」
 そう言って浩太郎は私の手の甲にキスを落とした。

 浩太郎本人とは思えない発言に、頬が熱を帯びるのを感じた。
 目の前にいるのは、本当に私の彼氏なの?
 そんなふうに、疑ってもしかたのない疑いが、頭の中を駆け巡っている。
 ドッキリ?
 それとも、実は今日ここにいるのは浩太郎そっくりの双子の弟とか!?

 考えに考えて、私が辿り着いた結論。

「やっぱりチョコに入ってたお酒……!?」