俺がまだ6歳の誕生日を迎えたばかりの頃だった。

保育園に行くときに気付いた。

玄関を出て道路を挟んだ真正面。

その空き地に家を建てていたのだ。

毎日少しずつ出来上がっていく家に、心踊る。

自分の家じゃない。

引っ越してくる家族に、自分と同い年の子供がいることは、以前から聞いていた。

だからこそだ。

どんな人だろう?

仲良くできるかな?

そういった思いで溢れていた。

そして2ヶ月後には人が住み始める。

「同い年なの? うちのサクラと仲良くしてね」

目の前に引っ越してきた女の子の母は、優しそうな笑顔で言った。