「うえ~ん……」

「えーい泣くな泣くな」

隣のサクラはぐったりしていた。

おまけに目の端には涙が浮かんでいる。

「今は無理だから、一時間目が終わったらジュースでも買いに行こうな」

頭を優しく撫でる。

腰ほどまである艶やかな黒髪。

くすぐったそうなサクラだけど、触っているこっちはすごく気持ちがよかったりする。

「ふふ、おごりだからね」

「わかってるよ」

手と手をしっかりつなぐ。

それでも必要以上に力は込めない。

だって……。

だって、サクラはこれからも一緒にいてくれるって、俺は信じてるから。