「夜更かししちゃったよ!」

俺が朝サクラの家に行くと、ボサボサ頭で出てきた。

何が起きたのかも一瞬で把握した。

しかもテンションが妙に高い。

小学校の時はこんなことなかったのに、中学高校と、成長する度に寝坊の回数は増えていた。

「いいから用意してこい」

「お、おう!」

あきれることにも疲れてしまう。

そんな俺を無視して、サクラは階段をすごい速さで駆け上がって行った。

サクラの身支度が整うまでわずか三分。

階段を下りてくるうるさい足音と小さな体。

「お待たせヒロちゃん。じゃあ行こうか」

はっきり言って女の子とは思えない速さである。

あらかじめ腕時計を見ながらタイムを計っていたのは内緒だ。