「お前らまた一緒に帰るのかよー」

クラスの男子が口々に言う。

「ああそうだ」

そいつらを睨む。

結局口だけなんだ。

冷やかしなんて気にしない。

自分の気持ちに素直になった結果がそれだった。

そして、サクラの手を取って教室を出る。

廊下を2人で駆け抜ける。

サクラは苦しそうにしながらも、笑顔だった。

小学校の時からすでにこうだった。

サクラも俺も、2人でいるささやかな時間を楽しんでいたんだ。