っていうか、成瀬くん私の気持ち知っていたの!?
「あれ?まだだった?」
「あ、あの成瀬くん何で……」
成瀬くんはくすりと笑って、答えてくれた。
前から思っていたけど、成瀬くんのこの笑顔ちょっと怖い。
「普通気づくよ?叶斗が鈍感なだけ」
「えぇ!?」
わ、私ってそんな分かりやすいの!?
だから、愛依も怒ったのかな。
いや、でも私分かりやすいようなことしてないのに。
「まぁ、ヒロインは分かりやすいほうが面白いけどね。あと、相手は鈍感ならもっと面白い」
えっと、言っている意味がよく分からないんだけど。
つまり、私はヒロインってこと?
いやいやいや!ヒロインってもっと可愛い子がなるもんでしょ!?
私みたいに地味で冴えない女の子がヒロインなわけないって!
ヒロインなら愛依の方が合っているし。
「混乱しすぎじゃない?ほんと、見ていて面白いよ」
うっ。なんか、考えれば考えるほど笑われている気がする。
私は必死に考えているのに。
「からかいに来たなら、どっか行って」
これ以上笑われたくない。