でも、どうしてここに?
「空き教室行かないの?叶斗待っているよ」
成瀬くんの言葉に、思わずスカートの裾を掴む。
待っているわけ、ないじゃない。
桐ヶ谷くんが私のことなんて。
「別に約束しているわけでもないし」
今は気持ちの整理をする時間が必要だ。
桐ヶ谷くんの所に行ったら、きっと気持ちが溢れちゃうから。
だから、もっとこの気持ちに整理をつけてからじゃないと。
「約束してなくても行くのかと思っていたよ。文化祭の日に仲直りしたのかと思ったし」
あ、そういえば成瀬くんに閉じ込められたんだっけ。
でも本当なのかなぁ。
桐ヶ谷くんの勘違いなんじゃないのかな。
「ねぇ、閉じ込められた時桐ヶ谷くんが成瀬くんのせいだって言っていたけど、本当なの?」
そう聞くと、成瀬くんは私の顔をじっと見て来た。
な、何?
「あはは。やっぱ鋭いなぁ。でも、俺が行った時の叶斗との会話聞いていたら分かるでしょ」
桐ヶ谷くんとの会話?
あ、後夜祭のことで頭がいっぱいだったから、聞いてなかった。
ということは、この成瀬くんの答え方だと成瀬くんのせいってことだよね。
何でそんなことしたんだろう。
「で、あの後叶斗連れ出して告ったりでもした?」
「へ!?」
こ、告ったって、こ、告白ってこと!?